金曜日の午後、島内の3町が主催したACPの勉強会に参加した。
ACPとは何かというと、「アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning)」、すなわち「人生会議」のことである。将来の医療や介護において、自分が望むケアについて前もって考え、信頼できる人たちと話し合っておく取り組みである。
一見すると、これは意外に難しいと感じられるかもしれない。「考えたくない」「縁起でもない」など、少し前まではそうした考えが一般的であり、立ち入ることがはばかられる話題であった。
今回の勉強会は、民生委員を対象に実施されたものであり、私は講師のアドバイザー役として、キャラバン隊の立場で参加した。
現在の社会においては、がん、心不全、腎疾患など、重大な病を抱える人が少なくない。もし家族の誰かが突然倒れ、意識を失った場合、本人がどのような医療を望んでいたのか、家族が知っているかどうかで対応は大きく変わる。知らなければ、どうすべきか迷ってしまうことは避けられない。
この勉強会では、「もしバナゲーム」というカードを用いた。「もしものとき」の医療やケアについて、自分の考えを整理し、他者と共有するためのカードゲーム形式のコミュニケーションツールである。実際に体験してみると、自分の価値観や希望が明確になる。
参加者からは、「とても良かった」という声が間違いなく上がった。
「こうしたことを家族で話し合ったことで、子どもたちが介護を手伝ってくれるようになった」
「急な病気がわかったとき、どうすればよいかが見えてきた」
といったコメントも寄せられた。
こうした会を、薬局としても今後啓蒙していきたいと強く感じた。