今日、薬局に最後から2番目の患者として若い女性が来られた。
お薬を準備してお渡しするころ、外は急に暗くなり、まるで夜の帳が早く降りたかのように空が沈み始めた。その瞬間、信じられないような激しい雨が降ってきた。どの患者も車で来局されるが、薬局から車までのわずか10秒ほどの距離でさえ、全身がびしょ濡れになるほどの雨であった。
5分もすれば止むだろうと考え、少し薬局の中で待ってもらうことにした。
その間、何気なく話しかけたところ、その女性はインスタグラムで徳之島町の魅力を発信する仕事をしているという。
食事処、自然、文化を若者の視点で切り取り、軽やかに表現している。
彼女のアカウント(re.day_)をのぞくと、徳之島の風や光、そして人々の穏やかな時間が流れるショート映像が並んでいる。
実際に見ていると、島に住んでみたいという気持ちが自然と湧き上がってくる。
彼女自身、関東から移り住んできたという。
その語り口や映像には、島で過ごす時間の豊かさと、外の世界の人に伝えたいという思いが込められていた。
夕方の雨音を背に話を聞きながら、私もまた、ここで暮らすことの意味を静かに見つめ直していた。
雨がやみ、外に出たとき、濡れたアスファルトが街灯の光を映していた。
その光の中を、小走りに車へ向かう彼女の姿が印象的であった。
あの短いひとときが、島の未来を照らす灯りのように思えた。


