空港のレストランで私はよく食事をする。とはいっても、レストランは一軒しかない。奄美大島の空港であっても、一軒しかなかったように思うから、離島の空港とはそういうものなのかもしれない。
そのレストランで働くフロア係の女性たちとは、すでに顔なじみである。日曜日の朝、海で泳いだあと、体は思った以上に冷え、腹も減っていた。家まで帰るには少し力が足りない。そこで私は、そのまま空港のレストランに立ち寄ることにしたのである。
注文したのはカツ丼であった。1年に1回も食べることがないような品である。よほど腹が減っていたのだろう。
「腹が減った」と言うと、店の女性は「大盛りですか」と言った。ご飯を大盛りにしてもよいような勢いである。良いのかよと思いながらも、さすがに食べきれないかもしれないと思い、普通盛りでよいと答えた。
ところが、出てきたカツ丼は普通盛りでも十分なボリュームであった。そして私はそれを意外なほどあっさりと平らげた。冷えた体は温まり、空腹も満たされ、人心地ついた。
この島の空港には売店もレストランも空港カウンターもあるが、私の顔はもうだいたい皆に知られている。良いことなのか悪いことなのかはわからない。しかし、行けば友達のように声をかけてくれ、気持ちよく過ごせる。こうして普段から顔を出し、色々と話して仲良くなっておくことは、案外悪くない。何かしら得をすることもあるのかもしれない。


