ゴールデンウィークあたりから、新幹線によく乗るようになった。
4月になり、飛行機の運賃が上がった。上がったというより、かなり上がったという印象である。正直なところ、以前ほど気軽に「飛行機で行こう」とは思えなくなってきた。
もちろん飛行機にはマイルが付く。乗れば少しは戻ってくる。しかし、今の世の中、物価高、燃料費高騰、人件費上昇、そしてどこへ行くにも値上げである。マイルをもらって嬉しい気持ちはあるが、それ以上に航空券そのものの高さが気になるようになった。
昔なら、「飛行機は速いし、マイルも貯まるし、少し得をした気分」であった。ところが今は、「そのマイル、本当に得なのか」と一度立ち止まって考える時代になっている。ポイント還元よりも、そもそもの支払いを減らす方が大事ではないかと思うようになった。
飛行機に乗っている時間は確かに短い。しかし、空港までの移動、搭乗手続き、保安検査、待ち時間、到着後の移動まで考えると、飛行機と新幹線のどちらが本当に便利で得なのか、わからなくなってくる。
今後は、航空券そのものが新幹線より安く買えるかどうかを、一つの判断材料にした方がよいように思える。マイルはもらえれば嬉しい。しかし、以前のような「乗れば乗るほど得をする」という感覚は薄れてきた。
ただし、東京行きや大阪行きなどの飛行機は、早めに予約すれば比較的安価に購入できることもある。一方で、離島間や地方間の飛行機はやけに高い。ここに、地方で暮らす者の悩ましさがある。

都会では「タイパ」、つまりタイムパフォーマンスという言葉がよく使われている。時間をどう効率よく使うかという考え方である。しかし、離島に住んでいると、タイパだけではなく「移動パ」、つまり移動にかかる費用と労力のパフォーマンスまで考えなくてはいけない。
1回の移動で、できるだけ多くの用事を済ませて戻ってくる。病院、買い物、会議、家族の用事、必要な手続き。あれもこれも一度に済ませる。そうしないと、移動費だけで体力も財布も削られてしまう。
今の時代、移動は単なる移動ではない。作戦である。
飛行機にするのか、新幹線にするのか。
早割を使うのか、マイルを使うのか。
何件の用事をまとめるのか。
これからは、移動にも経営感覚が必要な時代になったのかもしれない。財布と時間と体力を見ながら、最もよい一手を考える。そんなことを、新幹線の座席に座りながら考えていたのである。

