「デイゴの咲く頃に思うこと」

徳之島days

今、徳之島ではデイゴの花がとても美しく咲いている。しかし、風が吹くとあっという間に花びらが散っていく。

濃い緑の中にあって、この赤い花の色はひときわ目立つ。とはいえ、意識しなければ目にも心にも留まらない。

今年は、例年以上に多く咲いているように感じるのは私だけだろうか。

1990年代に「島唄」という歌が流行した。その中に「デイゴが咲き乱れる年は台風が来る」という一節がある。台風がある程度来るのは仕方がないが、どうか直撃するような激しいものだけは避けてほしいと願うばかりである。

このデイゴの花に強く心を惹かれたのは、実のところ数年前が初めてであった。それまでは、咲いていても気にも留めずに通り過ぎていたのである。

人は、意識しなければ見えてこないものが多い。日々の暮らしの中でも、ほんの少し意識を向けるかどうかで、感じる世界には雲泥の差が生まれるのである。