徳之島の金見には国の天然記念物の動物がいる。奄美大島と徳之島で有名なアマミノクロウサギではない。
クロウサギは夜中に島の内陸部に行くと見ることができる。その内陸部に行くのは怖い。というのは真っ暗であり灯りというものは一切ないからだ。車のライトを消灯すると目の先には何も見えない。
月の明かりがあれば良いが、月が地平線より下にあれば本当に真っ暗である。だがその分、星がやけに綺麗に見えるという良い面もある。
金見集落も夜になると真っ暗になる。そこにいるのは「オカヤドカリ」という陸生のヤドカリである。ヤドカリは島のあちこちに見られるが、すべてがオカヤドカリかはわからない。
この集落では、梅雨明けの頃だろうか、産卵のために集まったオカヤドカリの大群を見ることができる。砂浜や岩場はびっしりと占領され、足の踏み場もないほどになるそうだ。はっきりいって気持ち悪いかもしれない。
その写真はよく目にするが、正直、その時期の夜にこの海岸へ足を運ぶ勇気はない。この間、夕方に訪れただけでも相当な数がいた。
島には、九州や本州では想像もつかないような生き物たちが息づいている。その生命の力強さと多様さは、時に人を圧倒し、そして深く魅了するものである。




