日常では島の中を車で走ることは多いが、途中で寄り道をして、海をのんびり眺めるということは意外と少ない。
それでも、青く澄んだ海を眺めていると、気持ちがホッとする。何か特別なことをするわけでもない。ただ海を見ているだけなのだが、それだけで気分が少し軽くなるから不思議である。
薬局から外に出れば、目の前には太平洋が広がっている。ほぼ180度、海を見渡すことができる環境である。ただ、目の前には家や建物もあり、毎日同じ方向から眺めていると、さすがに見慣れてしまう。
そんな徳之島の中でも、何度訪れても飽きない場所がある。
花徳と里久浜の海岸である。
特別な建築物があるわけではない。観光のためにつくられた何かがあるわけでもない。
そこにあるのは、砂浜と海だけである。
しかし、その何もないシンプルな風景に、私はどうも惹かれるようである。
考えてみれば、高い岸壁から眺める雄大な景色よりも、波打ち際まで歩いていける綺麗な砂浜のほうが私は好きなのかもしれない。
そして何より、この海岸には人がいないことが多い。
広い砂浜を歩いていて、ふと周りを見渡す。
誰もいない。

聞こえてくるのは波の音だけで、目の前には青い海が広がっている。
この広い砂浜にいるのは自分一人だけ。
そんな瞬間に思うのである。
離島って、最高だな。


