薬局が医薬品の購入を行う際、納入業者と価格交渉を行う。昔も今も、購入額の多寡によって値引き率は異なる。マリン薬局のような小規模薬局の場合、業者から提示された金額で購入するしかない。
こうした状況から、薬局を束ねて共同購入するシステムが生まれ、現在では多くの薬局がこのシステムを利用していると聞く。システムを利用していない薬局のほうが少ないようだ。
この仕組みにより、必ずしも価格交渉がなくなるわけではないが、担当者との価格交渉が減少し、薬の納品だけの関係になりがちである。担当者が薬局まで足を運んでくれるのは嬉しいが、会話が雑談に終始することも多い。
その際に持参されるものの99%は、ジェネリック医薬品の新発売案内、回収医薬品のお詫び、添付文書の変更案内、納品制限の有無のパンフレットである。
製薬会社が作成するパンフレットは、非常に高品質な紙で印刷されているが、その印刷代や紙代は相当な金額ではないかと思う。それにもかかわらず、こうしたパンフレットはほぼ100%廃棄ボックス行きになる。他の薬局でも同様の状況かもしれない。こうした高額なパンフレットは、別の形で価値ある情報を提供する手段に変えてほしいと感じる。
薬局で使用する薬袋も同様であり、ルールに沿って患者さんに渡す必要があるが、患者さんによってはすぐに廃棄されてしまうことも多いのではないかと思う。
このような状況はどこにでも存在する。私たち薬局も含め、情報提供の際の資源の使い方や提供方法について見直す必要があると思うが、なかなか変えようとしないのが現状である。
それぞれにとって意味のある情報提供ができるようになりたいものだ。