患者が服薬する際に使用する薬の管理カセットにはさまざまな種類がある。他県の薬局を訪問し、実際に多くの製品を見せてもらった。
どれも考え抜かれたもので、市場に出回っているだけの価値がある。一見すると同じように見えるが、それぞれに微妙な違いがあり、工夫が凝らされている。市販のカセットや服薬カレンダーをどのように活用するかは、数多くの患者宅や高齢者施設を経験した者でなければ語れない。
訪問服薬指導を実際に行っていない人は、どうしてもワンパターンな発想に陥りがちである。私自身、そのように感じる。
試行錯誤を重ね、患者や施設の担当者と何度も話し合うことで、ようやく適切な使い方が見えてくる。実際に実践して初めて、「なるほど、こうすればよいのか」と気づくものだ。
結果として、この仕事は、地道に根気強く取り組むことで、少しずつ依頼を得られるようになる。一気に増えることもあるかもしれないが、それは稀である。
働く場所がどこであれ、薬局を利用する一人ひとりの患者に真剣に向き合うしかない。