辛さと甘さを兼ね備えた大根の知恵に学ぶ、生き抜く力

徳之島days

私は辛いものも甘いものも好きである。料理では、辛いカレーやわさびの効いたお刺身を食べることが特に好みである。

ただ、人生で唯一好まないものがある。それは、わさび入りのソフトクリームである。スキーでよく訪れた長野県のわさび園で売られていたが、それを好んで口に入れることはなかった。

最近、自炊をするようになってからスーパーに足を運ぶ機会が増えた。辛いものや甘いものが並ぶ中、大根を久しく食べていないことに気がついた。私は長野県や新潟県産のそばが好きであり、よく大根おろしと一緒に食べていたのを思い出した。

この大根は、辛さと甘さを同時に楽しめる最高の食材である。土の中に埋まっている部分は辛く、土の上に出ている部分は太陽の光合成による糖分で甘くなる。甘い部分はおでんなどの煮物に、辛い部分はおろしに使うのが良いと感じる。

煮物では辛味成分が加熱で気体となり飛んでいくため、自然と甘みが引き立つ。一方、生の辛味部分は、そばとの相性が抜群である。

大根にはもう一つ興味深い特徴がある。害虫が甘い部分を吸い取ろうとすると、大根はその部分に辛さを生み出す酵素を備えており、甘味と一緒に吸わせる仕組みを持っている。その結果、吸い取った害虫は辛さに驚き、寄り付かなくなる。大根はこうして自身を守っているのだ。

大根は生き延びるための知恵を持ちながらも、最終的には人間に食べ尽くされてしまう。それでも、大根のように両方の魅力を持ちつつ、賢く生き抜く術を備えた存在になりたいものである。