昨日、沖縄県那覇市内で訪問診療を行っている医師と同行してきた。その現場は、誰が見ても「大変だ」と感じざるを得ないものだった。写真は同行したクリニックの外観であるが、一見して何の建物か分からないほど、普通の建物のように見える。
同行は約3時間にわたり、医師にとっては午前中の業務に相当する時間であった。その間に診察した患者の数は6人である。初めての同行で抱いた第一印象は、この仕事は非常に大変だということだ。患者の家族にとっても、ほとんどの人が高齢であるため、日常生活の動作がスムーズにいかず、「この生活で本当に大丈夫だろうか」と考えさせられる場面が多かった。
こうした状況は日本全国どこでも見られるものであると思われる。私自身の希望としては、最後まで自分の力で何とか生活できる状態を保ちたいと強く感じた。
訪問診療に同行する中で、よく耳にする「フレイル」の問題や、歯を清潔に保つこと、糖尿病予防の重要性といった話題の意義が実感として理解できるようになった。
たとえば、90歳を迎えたときに、ある程度の経済的余裕があり、自分の力で起き上がったり動いたりできる状態を維持し、自分の歯を持ち、清潔を保ち、糖尿病や腎臓病を避け、視力も健在で足腰もしっかりしていれば、「良い人生だった」と思えるのではないかと感じた。
この国の高齢者の生活そのものの質を、少しでも向上させることはできないのだろうか。高齢になる前に深刻な状態を避けるため、薬局などが果たすべき役割があるはずだ。そうした役割を少しでも支えられないかと考えた。
一方で、世の中には口先だけで上手く立ち回り、利益を追求するだけの動きがあるのではないかとも感じた。今回の訪問診療への同行は、多くのことを考えさせられる貴重な経験であった。