薬剤師の記録業務と音声入力

徳之島days

患者さんとお話しした内容を、薬剤師はPCに記録しなくてはならない。これは、患者にお薬代を請求する際に「どのような対応をしたのか」を後で見ても分かるようにしておく必要があるためである。

昔は、医師が紙のカルテに記録していたように、薬剤師も紙にボールペンで書いていた。約20年前は、記録内容も比較的簡単なものであった。だが、空欄を残すことは許されなかった。

それに時間をかける薬剤師は、残業をしてまで記録作業を行っていたのが現状であったかもしれない。

内容はさておき、現在、私は音声入力を活用している。会社内では私だけがこの方法を採用しており、他の薬剤師は手入力を続けている。はっきり言って、音声入力の方が圧倒的に速い。

最近では、AIの技術により、患者さんと薬剤師の会話をAIが聞き取り、それをPC上で服薬指導の内容として自動的にまとめてくれるシステムも登場している。

私はまだそのシステムを試したことがないため、良し悪しについては何も言えない。

ただ、気になるのは、薬剤師の音声入力でさえPCが正確に聞き取れないことがあるのに、患者さんの声をどのようにして正確に認識するのかという点である。これはかなり高度な技術を要するように思える。

音声入力は、私だからこそできているのかもしれない。一勤務薬剤師として業務を行う場合、このようなAI対応の服薬指導入力の方が適している可能性もある。

しかし、たまたま投薬台ではなく、待合ソファーや受付カウンターなどで話した場合、AIがうまく音声を拾えないことが考えられる。その場合は手入力が必要になるのだろうか。

結果として、音声入力を活用する機会があまりない、という状況になってしまうかもしれない。それでも、一度試してみたいものだ。