金曜日の午前中に、患者の自宅へ薬を届けた。現在も同じ薬が継続して処方されており、患者の体調も安定している。そのため、私の気分も幾分か楽である。
気温は高くなく、天気も良好で過ごしやすい。患者宅を訪れても汗をかくことがない。
訪問先へ向かう車を走らせると、島の木々が少しずつ緑を濃くしてきているのがわかる。患者の庭に咲いているハイビスカスやツツジが美しく、とりわけツツジが目を引く。
その花を見ると、薬科大学の学生時代を思い出す。京都・蹴上にある浄水場に咲いていたツツジである。
通学時に毎日乗っていた京津線の車窓からも、そのツツジを見ることができた。現在は地下鉄となってしまったため、当時のような景色はもう見られない。今では、南禅寺から道路に出たあたりから少しだけ見ることができる。
また、奈良の葛城山の山頂に咲くツツジも美しい。年を重ねたせいか、昔懐かしい情景が次々と思い浮かんでくるものである。