学校薬剤師をしていると、毎年3月の年度末に訪れる恒例のイベントがある。学校の先生の異動である。3〜5年ほど勤務すると、新たな勤務地へと異動になる。
鹿児島県には、他の県と異なる特徴がある。それは、陸続きでない場所が多いことである。県内には多くの島があり、そこに学校があれば、誰かが勤務しなければならない。
一方で、鹿児島市内などの大きな市に異動を命じられることは少ないかもしれない。鹿児島県は広大である。
昨年4月、新たに赴任した養護の先生が何名かいる。若い人もいれば、ベテランの人もいる。養護の仕事に就いて初めての離島勤務となれば、苦労も多いだろう。
私自身が感じるのは、25歳前後で人口の少ない離島に勤務すると、30歳頃までその地で過ごすことになる可能性が高いことである。勤務地によって人生が大きく左右されることもある。
今回、徳之島のある町で勤務していた先生がいる。初めての勤務地が徳之島であり、5年の勤務を経て、今年4月からは鹿児島の枕崎方面へと異動する。
また、もう1人の女性は、昨年4月に大分県から徳之島へ赴任した。しかし、わずか1年で沖永良部島への異動が決まった。両島は近いとはいえ、離島間の引っ越しは容易ではない。大手の引っ越し業者はなく、生徒が手伝うこともあるという。
離島の学校では、先生と子どもたちの関係が非常に密接である。そのため、別れのときには深い感慨を覚える。つい涙がこぼれてしまうこともある。