近くて遠い島々―奄美大島と徳之島の食文化

徳之島days

奄美大島本島から徳之島を直接望むことはできないように思えるが、両島は飛行機で約30分という近い距離に位置している。
年末に奄美大島を訪島した。

写真は、奄美大島・屋仁川の居酒屋で食べた夜光貝の刺身である。合わせた酒は黒糖焼酎である。また、ホテルの水槽にいた熱帯魚も写真に収めた。これらの魚は、奄美大島の陸地からほど近い海岸でも見ることのできる身近な存在である。

奄美大島は一つの島でありながら、北部と南部では食文化を含め、暮らしの雰囲気にわずかな違いがあるように思える。現在、奄美空港から南部の瀬戸内町までの移動には約2時間を要するが、25年ほど前には3時間近くかかっていた。昭和初期であれば、さらに多くの時間を要したのではないかと感じる。

奄美を代表する料理である鶏飯は、もともと島の北部を中心とした食文化であり、時代とともに少しずつ南部へと拡散していったようである。このような島内での広がりを考えると、奄美大島と徳之島という島同士の食文化にも、現在では一定の違いが生じているように思える。

奄美大島の料理は、上品なもてなしを意識した、あっさりとした味付けのものが多い。観光地化や都市化が進んでいる印象があり、その象徴的な料理が鶏飯である。

一方、徳之島においても鶏飯は食されているが、食文化全体としては豪快で滋養を重んじる印象が強い。特にヤギ汁は象徴的な存在であり、観光向けというよりも、家庭や集落の中で受け継がれてきた料理であるように思える。闘牛文化に代表されるように、畜産業が発達してきたことも、こうした食文化を形作ってきた要因の一つかもしれない。

奄美大島、そして奄美大島郡の島々を巡り、それぞれの土地に根付いた食文化を味わいながら、その背景にある歴史や暮らしに思いを巡らせることは、非常に興味深い体験であると感じる。