自然が開けた三角の窓

徳之島days

人はしばしば、「見栄えが良いもの」「これ、いいね」と感じる何かを探し出したがるものである。
それは島においても例外ではなく、陸地であれ水中であれ、人々は心惹かれる風景や形を見つけようとする。
水中であれば、ダイビング中に目にする信じられないほど美しい珊瑚礁や、時に圧倒されるほど大きな岩礁がその対象となる。
陸上であれば、風雨に削られた奇岩や、自然が作り出した独特な形状の景色などが注目される。

薬局で薬剤師の女性と話をしていたときのことである。
教えてくれたのは、奇妙というよりも美しい岩の話だった。
徳之島町の金見集落の海岸線に位置する岩「トウッカ」。決して大きな岩ではないが、三角形に開いたその穴の奥に朝日が昇る様子は、言葉を失うほどの美しさであるという。

「トウッカ」とは、方言で“突き抜けた穴”や“開口部”を意味し、自然が長い歳月をかけて削り出したものである。
その岩の周辺には、同様に三角形をした岩々が点在しており、海と空と岩が織りなす風景は、まるで一幅の絵画のようである。

私はその話を聞いた日の夕方、日が沈む前に金見の海岸へ向かった。
初めて訪れたその場所には、想像以上の静けさと美しさがあった。
「トウッカ」の穴は東向きであり、早朝に訪れれば、その開口部から太陽が昇る瞬間を目にすることができるという。
ただし、潮の満ち引きによって足場が変わるため、訪れる時間帯には注意が必要である。

自然の造形が生み出す、何気ないけれど心に残る風景。
人は、そんな“見栄え”の中に、ただ美しさだけでなく、自らの心を投影し、静かに向き合う時間を求めているのかもしれない。