薬局にある小さな図書館

徳之島days

薬局に文庫本を設置してから、およそ1年が経過した。
設置当初から現在に至るまで、時折本を借りていく人がいる。そしてそのすべてが患者さんである。

借りていく人の年齢は、私より年上の方が多い。本のジャンルとしては時代物が中心であり、それが好きな人たちが手に取っていくのだろう。

実際に借りるまでには至らなくとも、じっと棚の前に立ち、どんな本があるのかを眺めていく人は少なくない。本というものは、それだけで人の目を引き、心をとどめる魅力がある。

島にも図書館は存在するが、都会のように規模が大きく、多種多様な蔵書が揃っているわけではない。本屋に至っては、ほとんど存在しないと言ってよい状況である。

薬局には絵本も数冊置いており、来局した子どもたちが椅子に座ってページをめくる姿も見られる。

本は、子どもから大人まで、誰にとっても情報を得るための道具である。

しかし、本の役割はそれだけにとどまらない。本は人の感情を揺さぶり、想像力をかき立て、日常から少し離れた世界へと連れて行ってくれる存在でもある。本を開くことは、ひとときの旅をすることに似ている。

今後は、さまざまな世代に向けた本を少しずつ増やし、薬局がこの島の小さな図書館としての役割も担っていければと思う。